「櫛でとかせない頭髪症候群」の遺伝子が判明

髪の毛が針金のように硬く、櫛でとかすことができないほどの髪質になってしまう病気があるなんて初めて知りました。病気というよりも染色体の異常のようですが、ある程度の年齢になると自然と直っていく人もいるようです。しかし髪の毛一つで人生も変わるモノです。周りの綺麗な髪の毛に憧れることもあるでしょう。この「櫛でとかせない頭髪症候群」の人が髪の毛を伸ばすとライオンの鬣のように爆発したようなヘアスタイルになってしまうようです。逆に髪の毛を全て剃り落してしまってウィッグなどを被るという手もありそうですが、世界には色々な症例があるんですね。

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「櫛でとかせない毛髪症候群」(Uncombable Hair Syndrome、UHS)と呼ばれる、稀な状態がある。子どもたちのヘアスタイルが、感電したような形になる症状のことだ。縮れた針金のような髪は、銀色がかった金色や麦わら色のことが多く、伸びると収まりがつかず、たてがみのようになる。

科学者による最初の記録は1973年だが、ドイツで1845年に出版された有名な子ども向け絵本『もじゃもじゃ頭のペーター』の主人公の髪型は、こうした子どもにヒントを得たものだと考えられている。同書はのちにマーク・トウェインにより、『だらしないピーター』(Slovenly Peter)という題で英語に翻訳された。

【1917年の版による「もじゃもじゃペーター」の挿絵はこちら】

1970年代以降、科学者によって約100の事例が記録されているが、診断を受けていない人はもっとたくさんいた可能性が高い。この遺伝子状態は、生後3カ月~12歳の間に発症し、通常は成長するにつれて改善していく。遺伝にルーツがあるらしい、ということを除けば、科学者にもほとんど原因はわかっていなかった。

今回、毛髪の専門家であるドイツ・ボン大学のレジーナ・ベッツが率いた科学者チームが、この症候群の子ども11人の遺伝子を詳しく調べた結果、原因と見られる3つの遺伝子の突然変異が見つかった。

ひとつの遺伝子は、毛幹の主要タンパク質の設計図が入ったもの。あとの2つは、いわば石工職人のような働きをする酵素の遺伝子で、毛幹の組立のためにタンパク質を下ごしらえし、ケラチン(毛髪、ツメ、皮膚の繊維状の構成要素)の薄い繊維の間にそれを閉じ込める。

科学者チームは、細胞培養実験を使い、3つの遺伝子のいずれかの突然変異が毛髪の通常の発育を阻害し、形のゆがんだ毛幹ができることを確認した。これは症候群の子どもに見られるものと呼応している。通常、毛髪の横断面は円形をしているが、UHSの子どもの毛髪は横断面が三角形やハート型であることが多いのだ。

この科学者チームは次に、同じ突然変異をもつマウスをつくったところ、体毛がウエーブし、ヒゲが縮れたマウスになったという。こうした研究により、毛髪の構造などへの理解が進むほか、UHSの診断もしやすくなるとチームはリリースで述べている。

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