ゆるキャラ逆境、ゆるくない!? 乱立のあおりでクビ…首長に気に入られず

ふなっしーやくまもんが活躍していたころと比べてご当地のゆるキャラブームは去っていきました。今ではほとんどテレビで見ることもなくなりましたね。まだまだ出演依頼のあるユルキャラもいますが、ごく一部で、ほとんどのユルキャラは日の目を見なくなったことでしょう。地域によってゆるキャラの数もバラバラで、場所によってはいくつも存在するキャラクター。人気投票で最下位をとってしまったキャラクターは公式から外れてしまうものもいるでしょう。それでもまた以前のように人気に火がつくことを祈って、今でも暗闇で活動しているのです。

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■それでも愛されたい…

今年もご当地キャラクター日本一を決めるイベントが開かれるなど依然、注目を集め続ける「ゆるキャラ」。人気投票で上位に入り全国区となるものがある一方で、ほとんど知られないまま、自治体側の都合などで姿を消しつつあるものも少なくない。人間並みに悲哀や波乱に満ちた道を歩んだゆるキャラたちを追った。(藤崎真生)

「大阪府立花の文化園」(大阪府河内長野市)の「フルル」は平成12年に開園10周年を記念して誕生。花の妖精という設定で施設の魅力PRに尽力してきたが、24年の「ゆるキャラグランプリ」では12票しか集まらず865体中863位という結果に終わった。

ところが、浜寺ローズカーニバル実行委員会(堺市)の「浜寺ローズちゃん」が下から2番目の864位、堺市都市緑化センター(同)の「ポピアン」が最下位と大阪府内のキャラがワースト3を独占したことが転機となった。

関係者らはこの結果を利用して、「ビリキャラ同盟」を結成。「サミット」の開催や撮影会などで知名度アップに奔走したことからTV番組でも紹介されるまでになった。

だが、フルルが再び試練に見舞われる。今年4月、同園の指定管理者が変更。大阪府は管理するキャラの増え過ぎで府の鳥・モズから考えた「もずやん」への一本化を進めており、その方針に従ってフルルは“卒園”し事実上、役目がなくなった。

フルルは、10月に堺市で開かれたポピアンの誕生日イベントへ参加したものの、今後の活動は未定。同園は「これからも活動の場を作りつつ『第二の人生』につなげていければ」と話す。

犬のチンをモチーフにした東京都足立区の「アダチン」も苦難の道を歩む。19年12月、同区の文化や芸術をPRするために就任。だが20年3月には、公式キャラの座を降りた。

理由について区の担当者は「契約期間満了のため」と説明する。だが、生みの親でアニメーション作家の青木純さん(34)は「区長に気に入ってもらえなかったそうです」と明かす。

アダチンは元公式キャラとして、防災フェアやラジオ体操に参加するなど活動を続ける。一方で、携帯電話のケースやハンカチなどのグッズは在庫がたまり、着ぐるみの活動はボランティアに頼るといった厳しい状況が続く。青木さんは「再び足立区のPRキャラや商業的に自立できる売れっ子を目指したい」と前を向く。

27年に誕生した下田商工会議所青年部(静岡県下田市)の「ぺるりん」も突然、ご当地キャラの座を追われそうになった。黒船艦隊でペリー提督が来航した下田の歴史にちなんだもので、ペリーの故郷、米・ニューポート生まれのペンギンの妖精-という設定だ。

そんなぺるりんに、元陸上自衛官で今年6月当選の新市長、福井祐輔氏(69)は突然、「偉人をちゃかしているのでは」と指摘。活動に不可欠な年間約150万円の補助金の再検討を示唆したのだ。

ただ、一連の騒動が報じられ状況は一転。福井市長が「全国的に有名になった。独り立ちするまで支援する」と態度を軟化させた。同青年部監事の高橋弘樹さん(50)は「厳しいこともあったが、今後も人々に愛されるキャラを目指したい」と話した。

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