<養育費>合意6割どまり 離婚後トラブル原因に 

養育費を巡った離婚後のトラブルが多いようです。確かに意見が合わない二人の話し合いになるので、放っておいたら平行線上で交わることはないでしょう。お互いに折り合いを付けながらも納得のいく形に着地できる夫婦は少ないと思います。また養育費とは強制ではないので、支払う側の収入状況や生活環境によっては支払い義務もなくなります。毎月必ず支払われるものと思っていると問題がでてきそうですね。もらえればラッキーくらいの気持ちで生活していた方がいいかもしれません。人生で一番ストレスのかかるイベントがこの離婚になるので、離婚によって体を壊さないように慎重に行いましょう。

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◇法務省、先月から手引配布

未成年の子供がいる夫婦が離婚する際、養育費の分担や親子の面会交流について取り決めたケースが6割どまりであることが、法務省の調査で分かった。養育費分担などは、2012年4月施行の改正民法で「父母の協議で定める」と明文化されたが、離婚成立の条件ではない。ただ、取り決めがなかったためにトラブルが起きたり、子供が貧困に苦しんだりすることがある。

法務省は取り決めに向けた合意書作成の手引を作り、10月から全国の市区町村で配布を始めて周知を図ろうとしている。

養育費の取り決めがない一人親家庭は「子供の貧困」状態に陥りやすいとして、政府は昨年12月、養育費の取り決め率を70%にする目標を決めている。

法務省によると、昨年度、未成年の子供がいる夫婦が離婚した件数は12万3190件。民法改正後、離婚届には養育費の分担と面会交流について父母間で取り決めたかどうかを尋ねるチェック欄が設けられている。昨年度、「取り決めをしている」にチェックがあった件数は、養育費で7万7061件(62.6%)、面会交流では7万7630件(63.0%)だった。

改正民法が施行された初年度の12年度、養育費の取り決めは55.6%、面会交流は55.4%だった。13年度にそれぞれ6割に達したものの、以後はほとんど増えていない。法務省は「夫婦の間で『離婚したい』という意識が先に働き、子供のことが後回しになっている」と指摘する。

離婚後にトラブルとなるケースも多く、司法統計によると、昨年に全国の家庭裁判所に申し立てられた養育費の調停は約1万8000件、面会交流の調停は約1万2000件に上っている。

法務省が配布している手引には、「子どもの養育に関する合意書」が記入例とともに添付されており、養育費の支払期間や金額、面会交流の内容や頻度などが書き込める。手引は市区町村の窓口で離婚届と一緒に配布される。同様の取り組みを14年4月から独自に実施してきた兵庫県明石市では、養育費の取り決め率が70%になっている。【鈴木一生】 ◇協議難しく、支援必要

養育費の分担割合を決めて離婚した夫婦が6割に過ぎないことの背景には、合意や話し合い自体が難しいという実情がある。手引の配布にとどまらず、養育費を確実に受け取れるためのより具体的な支援を望む離婚経験者は少なくない。

「離婚する夫婦が冷静に話し合うのは難しい。自ら情報収集しなければ、どう取り決めればいいのかも分からなかった」。10月初めに離婚が成立した神戸市の女性(39)はそう振り返る。7月下旬に夫が突然、別の女性と同居を始めた。幼い子3人を抱えていたが、離婚を決意。役所の窓口や日本司法支援センター(法テラス)での相談に駆け回った。離婚に向けた話し合いができたのは約2カ月後。「1人で会うのは怖い」と弁護士に立ち会いを依頼した。

しかし、それ以上の弁護士費用は工面できず、夫への慰謝料の請求をあきらめ、離婚成立を優先させた。自ら公証人役場で公正証書の書き方を習い、夫とメールを約60回やり取りした。毎月の養育費は約10万円▽親権者は母親▽夫と子との面会交流は月2回--と取り決めた。

女性は「離婚理由を作ったのは夫なのに、私から話し合いを求め、元夫の条件をのんだ。理不尽です」と唇をかむ。特に養育費の取り決めは、情報収集する時間や心身の余裕、弁護士に依頼する経済力がなければ難しいと感じた。「結局は当事者の自助努力次第。(法務省の)手引だけで有効な支援と言えるのでしょうか」

離婚事件に詳しい斉藤秀樹弁護士によると、家庭内暴力(DV)などで夫婦間の争いが激しい場合、養育費の取り決め自体、難しい。公正証書を作成しても本人が所在不明になったり、勤務先や預金口座が分からなくなったりして差し押さえも困難になるケースが後を絶たない。斉藤弁護士は「このような場合には、国が相当の額を社会保障として安定的に支給し、その分を支払い義務のある親から徴収する仕組みを整える必要がある」と強調する。【中川聡子】

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