道路陥没、都市開発に潜む「もろさ」浮き彫り 主要ライフラインの配管集中

地下鉄など交通が便利になればなるほど、私たちの地盤はもろく崩れやすくなっているのです。誰がどのようにして地面に穴を掘って、そこを通路にしようなどと考えたのでしょうか。普通に考て途方もないプランです。しっかりとした基礎を作り上げないとその上で生活する私たちの生活は安心できるものではありません。そこへ巨大な高層ビルがたったり、大型のダンプが毎日行き来するわけですから、もうどこの道路が陥没してもおかしくない状況ですね。今回の博多はたまたま運が悪かったというだけで、どこで同じようなことが起きてもおかしくないのです。

image

大規模陥没した福岡市営地下鉄七隈線延伸工事現場は、トンネル部分の上を水道管やガス管などが計13本通っていた。インフラ網の寸断により、市民生活はJR博多駅周辺にとどまらず広範囲で混乱。都市開発に潜む「もろさ」も浮き彫りにした。

むき出しになったパイプが衝撃の大きさを物語る。陥没現場は地表から深さ2メートル、幅30メートルほどの範囲に、水道管や九州電力の送配電線(電力管)、NTTの光ケーブルや電話回線(NTT管)が入った「管路」などがあり、下部には雨水管(直径2・4メートル)。地下鉄のトンネルは、雨水管のさらに4・5メートル下を掘り進めていた。

九電によると、市街地にあるビルや住宅向けの電力は地下管を使って供給。陥没地点に埋設された配電線を通る電力はJR博多駅から最大約3キロ離れた場所まで供給される。このため、同駅から約2・5キロ離れた福岡空港国際線ターミナルも影響を受けて一時停電。別ルートで送電を再開したのは約6時間後だった。

ガス管は地表に近い場所にあり、トンネルの掘削工事でガス管を損傷する危険性は少ないとみられていたが、陥没でこうした「常識」も揺らぐ。西部ガスによると、現場近くの4戸は陥没部分からガスの引き込み線が延びており、復旧の見込みは立っていない。断水した1棟の復旧は見通せず、駅周辺などで下水道使用の自粛要請も継続中だ。

人口155万人を超える福岡市は都市化が進み「地下鉄を走らせる空間は限られている」(市交通局)のが現状。都心部ではインフラ網が詰まった道路の真下以外になく、今回の混乱につながった形だ。昨年12月に地下鉄東西線を開業した仙台市交通局も「都市部に地下鉄を通す場合の宿命。工事は神経を使う」という。

=2016/11/09付 西日本新聞朝刊=

シェアする

フォローする