橋本奈々未さん引退「芸能活動、弟の学費のため」…姉弟間でも「扶養義務」はあるの?

乃木坂46のメンバーとしてファンの支持も多かった橋本奈々未さんが卒業を発表しました。卒業理由としては、そもそもアイドルになったのは弟の学費を稼ぐためだったと告白してくれました。もともと家が貧乏でやっとの思いで自分が学校を卒業して、弟にも同じように大学を卒業してもらいたいという気持ちから、自分が稼がなければ、という責任感のようなものを持っていたようです。そもそも兄弟間で扶養の義務はないのですが、法律的には余裕があれば助けてあげましょう程度の縛りだそうです。それだけ兄弟愛が強いということでしょう。できることならば、学費のめどが立った今もこれからもアイドルとしての彼女の活躍が見ていたかったのですが、他にやりたいことがあるのであればそれを応援してあげたいですね。

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アイドルグループ「乃木坂46」の人気メンバー橋本奈々未さん(23)が、グループからの卒業と芸能界引退を発表し、ファンの間で大きな悲しみが広がっている。

橋本さんは10月30日深夜のバラエティー番組「乃木坂工事中」(テレビ東京系)で、卒業・引退を報告した。アイドルになった動機について、弟の学費など、金銭面が目的だったと明らかにした。弟が大学に入学し学費も免除され、母から「無理しないで、好きなことをしてください」と手紙を受け取ったことが引退を決意するきっかけだったという。

ネット上では、「この若さでなかなか出来る事じゃない」と橋本さんのエピソードに感動の声が相次いでいるが、一般的に、両親が経済的に厳しい状況にある際、姉が弟の面倒をみる法的な義務はあるのか。浜田諭弁護士に聞いた。

●姉が弟に対して負う可能性があるのは「生活扶助義務」

「民法877条には、『直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある』との条項があります。この条項だけを見ると、姉は弟に対して具体的な『扶養義務』を負うようにも読めますね」

浜田弁護士はこのように指摘する。実際は違うのだろうか。

「少しややこしいですが、詳しく説明します。扶養義務は『生活保持義務』と『生活扶助義務』に区別されます。

『生活保持義務』の例は、たとえば、未成熟子(経済的に自立していない子)に対する親の義務です。親(扶養義務者)は未成熟子(扶養権利者)に、親の生活レベルと同じ程度の生活を保持させる義務があります。

一方、『生活扶助義務』については扶養権利者の生活を維持するために、義務者の地位相応な生活を犠牲にすることなく扶助すればよいとされます。簡単に言えば、『余裕があれば助けてあげましょうね』という義務です」

姉が弟に対して負う義務は、どちらなのか。

「姉が弟に負うのは『生活扶助義務』です。『扶養義務』が発生するのは次のような場合です。

(1)弟が、扶養を必要とする状態にあること(2)姉が、自分の生活を犠牲にすることなく、扶養することが出来る能力があること」

橋本さんの場合は、両親が経済的に厳しい状況だったようだ。

「両親が経済的に厳しい状況にあるだけでは(1)の要件は満たすものの、(2)の要件を満たさないので具体的な『扶養義務』は発生しません。

両親の状況に加えて、姉が自らの地位相応な生活を維持しつつ、弟を扶養する能力がある場合には具体的な『扶養義務』が発生する可能性があります」

【取材協力弁護士】
濱田 諭(はまだ・さとし)弁護士
中小企業等の顧問業務や家事事件(離婚・相続)を中心に取り扱っている。日弁連弁護士業務改革委員会(企業コンプライアンス推進PT)委員。平成27年4月1日より弁護士法人みなみ総合法律事務所の社員弁護士。
事務所名:弁護士法人みなみ総合法律事務所【宮崎事務所】
事務所URL:https://www.minami-lawoffice.jp/

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