食べられるミニチュア「マイクロフード」って何?

最近ではSNSのページを開くとこういったミニチュア料理の制作動画がアップされているのでよく目にするのですが、その繊細な作り方に目を奪われます。思わず最初から最後まで見てしまう自分がいるので、おなじように興味を持つ人はたくさんいるでしょう。ただ最終的な見た目を作るだけでなく、調理過程まで緻密に再現されています。きちんとお肉をカットして小麦粉、卵、パン粉を付け、本物の油を使ってあげる作業まで完璧です。小さな世界では当たり前のことが当たり前に感じない不思議な魅力がありますね。

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直径わずか7.5cmの器に盛り付けられた、おなじみナポリタンの写真。手のひらとの比較で、その小ささはお分かりいただけるだろうか。

小さな食品サンプルを自分で作る「ミニチュアフード」が、女性を中心に人気だ。樹脂などでミニチュアサイズのお菓子を作る「スイーツデコ」は、趣味の一分野としてすでに確立。材料は100円ショップでも定番として取り扱われている。

写真の一品も、精巧なミニチュアフード……に見えるが、実はさにあらず。このナポリタンはそのまま「食べられる」のだ。

本物の食材で作る「マイクロフード」が、ネットやSNS上で今話題を集めている。「小さい」「リアル」「食べられる」の三拍子そろっているのがポイント。でマイクロフードの名付け親でもあり、先駆者でもあるのが、プログラマーのよしだゆたか氏。「note」などのSNSを中心に、作品とその舞台裏を公開している。メニューは、定番の和洋食からスイーツ、各国料理まで約400種に上る。

では、どうやって作るのか。まずはよしだ氏流「マイクロナポリタン」の作り方をお見せしよう。
マイクロナポリタンはこう作る!
材料は、ベーコン、ピーマン、市販のナポリタンソース、粉チーズといった、普通のナポリタンと同じ。唯一違うのが、スパゲティではなく「そうめん」を使う点だ。

まずベーコンは、タピオカドリンクを飲む際の太いストローで抜く。普通のストローで抜くと、小さくなりすぎてしまう。このように、盛り付けたときの“絶妙なサイズ感”を考えるのもマイクロフードの醍醐味だ。

ピーマンはとにかく細切りにする。ナポリタンソースは、中に入っている具材は入れずに、ソースの部分だけを使う。

そうめんは、まずは2つ折りにするのがポイント。普通にゆでてもよいが、器に水に入れて電子レンジで2~3分掛けるとラクだ。
ポイントは「麺の端を出さない」
ゆで上がったら軽く洗ってそうめんのぬめりを取り、油や具材とともにフライパンで炒める。ここでのポイントは「直接火にかけない」こと。極小の食材はすぐに焦げてしまうため、フライパンをいったん熱してから火を止めて、ソースとともに軽くあえる感じで炒める。

いよいよ盛り付け。まずは具材をいったん取り除き、器の中に麺で円形に枠を作る。数回に分けて円形に重ねながら、高さを出しながら盛り付けていく。麺の先が飛び出ると雑な印象になってしまうので、内側に入れ込んで整えるのが、きれいに見せるコツだ。

 最後に粉チーズを振り掛ければ完成。見栄えをさらに重視するなら、粉末のコーンスープがお薦め。粒子が小さいのでリアル感がさらに高まる。

作って写真を撮ったら、おいしく食べるのがよしだ氏のルール。「食べたらなくなってしまう“はかなさ”もマイクロフードの魅力です」(よしだ氏)。

ナポリタンを題材に作り方を紹介したが、これはマイクロフードの世界のほんの一端。リアルに見せるための「食材選び」「器選び」「調理テク」など、“小さな世界”を極めるために知っておきたいことはまだまだある。後編ではこれらを紹介しつつ、さらなるマイクロフードの魅力に迫っていく。

(文/日経トレンディ編集部)

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