観客を笑わせられるか…高畑淳子“贖罪”舞台の試練

息子である高畑裕太容疑者が事件を起こして最初の会見でも宣言した通り、彼女が主演を務める舞台「雪まろげ」が始まるようです。舞台の上では女優で、観客に笑を届けなければいけない、心の内では色々な思いがあり、それを見ている側もわかっていながら、それでも最高の演技を見せる。まさに彼女自身が言っていたように贖罪としての舞台なのかもしれません。なんだか同じ母親なら見ていて辛くなってしまうかもしれません。彼女自身が起こした事件ではありませんが、これが子供を産むという責任なのでしょう。

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俳優の高畑裕太容疑者(22)が強姦(ごうかん)致傷容疑で逮捕されてから2週間が経過した。母親で女優の高畑淳子(61)は8月26日に行った謝罪会見で、1カ月後に初日が迫っていた主演舞台「雪まろげ」について舞台をお見せするのが私の贖罪(しょくざい)だと思っている」と涙ながらに語った。舞台を製作する当方には淳子から「私がやっていいものかどうか」と“おうかがい”の連絡が入った。本人が罪を犯したわけではなく、裕太容疑者も成人ということで、東宝はGOサインを出した。

「雪まろげ」は、故森光子さんが「放浪記」「おもろい女」とともに代表作にしていた舞台。約30年にわたり、471回上演された人気作だ。とある温泉街を舞台に、芸者の夢子がちょっとしたことからついたウソが、どんどんと雪だるまのように大きくなり、やがて大事件を起こしてしまう人情喜劇。森さん亡き後、「放浪記」は仲間由紀恵の主演で復活。さて「雪まろげ」は…という時、2008年に「放浪記」で主人公・林芙美子のライバル・日夏京子を演じ、森さんからの信頼も厚かった淳子に白羽の矢がった。

日夏京子は性格がきつい女性。林芙美子に詰め寄る場面もあるが、当時、淳子は大先輩の森さんにもひるむことなく、演じきった。カラッとした、気風のいい女優さんだ、と思ったのを覚えている。

森さんは舞台開演前、自分の楽屋で共演者と雑談を交わす“お茶会”を日課としていた。座長として、共演者のその日の様子を確認し、緊張をほぐすという意味もあったが、何より「和」を大事にしてのことだった。淳子にとって今回の「雪まろげ」は、出身母体の劇団青年座の公演をのぞけば、初の座長公演。森さんの代表作を引き継ぐだけでも大仕事のはずだが、そこに裕太容疑者の事件が加わった。「降板するべきでは」の声もあるが、舞台は今年いっぱい、全国各地を巡業。1カ月の公演なら、まだ代役を探せなくもないかもしれないが、さすがに3カ月以上の長期となると、スケジュールを押さえられ、作品の大黒柱となりうる女優はいない。

作品は喜劇で、観客を笑わせなければいけない。謝罪会見や、その後の稽古場などでの様子からすると、淳子はまだ喜劇を演じられる精神状態ではないように思える。観客は舞台に登場する淳子の後ろに、裕太容疑者の影を見るだろう。淳子には、裕太容疑者の不祥事を忘れさせるほど観客を笑わせ、楽しませる演技を期待したい。天国の森さんも、そう願っているはずだ。

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