最新! 「内部通報件数が多い」会社ランキング

会社の規模が大きければ大きい程、その下で働く社員の数も増えるので、内部通報の件数も自然と増えるのかもしれませんが、もともとクリーンな企業であればそんなこともないはず。内側からしか見えない汚い部分というのはどこの会社にもあるのかもしれませんね。バイト経験のある方ならわかりますが、飲食店では絶対に自分の店で食べたくないというスタッフもいるくらいです。そうとうな衛生上問題があるのではないでしょうか。厨房に名だって虫などが入る可能性はありますが、損現場を目のあたりにしているからこそのスタッフがわの意見は重要です。

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不正会計の東芝、免震ゴム性能偽装の東洋ゴム工業、燃費データ不正の三菱自動車。昨年から今年にかけて不正が明らかになった企業がいくつも出た。

「内部通報件数が多い会社」11位以下

こうした不正を防止するため内部からの監視として「内部通報」が注目されている。コーポレートガバナンス・コードでは内部通報の体制整備を求めるなど上場企業にとってもはや当たり前の制度となっているが、依然「十分に機能していない」と批判を受けることも多い。

従業員が企業の不正や問題点を通報できる「内部通報制度」は社内の透明性を高めるために有効とされる。ただ、その運用がうまくいっているかどうかを判断するのは難しく、通報窓口の有無や権利保護に関する規定制定などの表面上の評価にとどまっているのが現状だ。

東洋経済CSR調査では内部通報をCSRの重要な項目として、第2回調査(2006年実施)から窓口の設置と権利保護規定について聞いている。さらに細かい状況がわかるように第8回調査(2012年実施)からは「通報件数」を追加した。

■ 「一定数あるほうが健全」という考えが主流

以前は「通報ゼロ」という会社も少なくなかったが、最近は「規模に比例して一定数ある方が健全」という考えが主流になり、通報件数などを外部へ開示するケースも増えてきた。

内部通報制度がきちんと機能しているかどうかを見るのに通報件数は重要な指標となりつつあり、件数の多さは社内のオープン度の高さを示していると考えられる。

そこで、今回はこの内部通報件数(一部、相談等も含む)のランキングでオープン度の高い会社をご紹介する。対象は『CSR企業総覧』2016年版掲載1325社のうち内部通報の件数などを開示している515社。このうち2014年度の件数で上位100社をランキングした。

1位はセブン&アイ・ホールディングスの705件。同社は持ち株会社としての企業行動指針に加えて、各事業会社ごとの「行動指針のガイドライン」を整備。グループ横断の会議体「セブン&アイ企業行動部会」も置いている。

さらに内部通報窓口を「ヘルプライン」という名称で各事業会社に設置。2009年9月からは国内全事業会社の従業員が利用可能なグループ共通の社外ヘルプラインも置く。幅広く利用できるため多くの情報が集まり、問題の早期解決に役立っている。

上位陣の顔ぶれは?
2位はブランド品などを量販店向け中心に卸売りを行うドウシシャの554件。内部通報窓口は社内・社外ともにあり、多くの通報を受けている。

3位は明治安田生命保険の357件。法令順守には特に力を入れ、専任のコンプライアンス統括部を中心に個人営業コンプライアンスグループ(営業企画部)、法人営業企画グループ(法人営業企画部)、法務部が緊密に連携を取っている。

内部通報の権利保護規定も高いレベルで、風通しがよく不祥事が起きない職場作りを目指している。

4位は日本電信電話の322件。同社は2002年11月にグループで「NTTグループ企業倫理憲章」を策定。その中に、「不正・不祥事を通報した役員および社員は、申告したことによる不利益が生じないよう保護される」と明記する。窓口は「企業倫理ヘルプライン」として公開、取引関係のある会社の勤務者からの通報も受け付けている。

5位は損保ジャパン日本興亜ホールディングス243件。昨年の184件から大きく増加している。

以下、6位IHI238件、7位ヤマトホールディングス236件、8位カルソニックカンセイ234件、9位アイシン精機228件、10位LIXILグループ215件と続く。
続いて51~100位
昨年、「巨額の不正会計」で大きく揺れた東芝は31位の88件。2014年度の情報のため、問題発覚前の数字だが、第三者委員会から「少ない」と指摘された2013年度の61件よりは若干増えている。この件数が多いか少ないかの判断は正直難しいが、従業員数との対比がひとつの方法として考えられる。

同社の2014年度の単独従業員数は3万5278人で件数88で割ると400.9。約400人に1人が通報した計算になる。2013年度は589.2人だったので通報は増えている。

他の会社はどうか。製造業を中心に見ていくと6位のIHIは単独従業員数8458人で1件当たりでは35.5人。従業員35.5人に1人が通報しており、東芝と比べると10倍以上の通報実績だ。

9位アイシン精機は同じく59.9人、11位パナソニック(200件)同256.5人、17位ホンダ(142件)同161.6人といずれも東芝より通報は活発だ。

一方、28位のトヨタ自動車(101件)は同671.4人、54位三菱電機(50件)は同608.7人など数値が東芝を上回る(通報が少ない)会社もある。だが、全体的に見ると東芝の通報件数は少ないといえそうだ。

もっとも単独従業員数を基準にすることには問題も多い。通報ができる対象者はグループ会社を含む場合もあるし、正社員以外のパートやアルバイトが含まれることもある。通報可能な人数が明確でないため、単独の従業員数を使った数字はあくまでも参考データのひとつとして見ていただきたい。

■ 「100人に1人が通報する」は一つの目安

こうした注意点を前提に上位100社の通報1件当たりの従業員数を見ると100人未満が53社、200人未満は83社だった。これを見る限りでは「100人に1人が通報する」という状態が通報件数のひとつの目安になる可能性がありそうだ。

実際の内部通報では窓口に「上司や同僚の批判など個人的な不満をぶちまける」ケースも少なくないと聞く。同一の通報者の度重なる連絡で対応に疲れた窓口担当者がメンタル面で問題を生じるといったケースもあるようだ。

しかし、それでも少しでも気になることを自由に発言できる環境を整備することで、本当の問題点が浮かび上がってくる確率は高くなる。よりよい仕組みを目指して適切な利用を従業員と一緒に考えながら進めていくべきだろう。

内部通報件数の適正値は現状では正直よくわからない。ただし、長い期間データを集めていけば、規模や業種によっての傾向が出てくるはずだ。そうするとガバナンスの評価項目として重要な役目を果たすことになるだろう。今年の2016年調査(対象は2015年度、2014年度)で通報件数は5年分のデータが集まる。そろそろ詳細な検討をしていく時期かもしれない。

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