受刑者、求職の外出増える 北海道が全国最多

服役中の受刑者が刑期を終える前に、外出外泊を認める件数が徐々に増えているようです。刑務作業の一環で会ったり、出所後に働くためにハローワークへ行かせたりと、出所後のことを考えたサポートでしょう。しかし被害者がいる場合は、自分に危害を加えた加害者が刑務所から出てきていると分かっただけでも気持ちが落ち着きませんよね。いつ自分の前に現れるのか、何かの報復を恐れてびくびくしなければなりません。受刑者の将来のことを考えるのもそうですが、被害者側の気持ちを汲んだサポートも必要なのかもしれません。

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服役中の受刑者を刑務所職員の同行なしで外出させ、求職活動などを認める事例が全国の刑務所で増えている。特に道内では積極的に取り組まれ、実施件数は全国最多だ。出所後の円滑な社会復帰を促すのが狙いで、専門家は「再犯防止に効果的」と評価する一方、犯罪やトラブルを誘発しかねないと懸念する声もある。
単独で行動
22日午後1時、空知管内月形町の月形刑務所の一室で、受刑者の男性(43)が刑務官と向き合った。「これからハローワークへの外出を許可する。就労先を探すという目的をしっかり認識し、決められたことを守るように」。刑務官が告げると、男性は「はい」と力強く答えた。窃盗罪で2年前から服役し、まだ3カ月ほどの刑期が残っているが、この日は私服のジーパン姿で塀の外に出た。

刑務官と一緒に車で出発し、約30分でハローワークに到着。男性は車を降りてから約1時間は1人で行動し、窓口の職員に求人票の探し方などを尋ねた。刑務官はその間、施設の近くで待機し、再び一緒に刑務所へ戻った。男性は「窓口で最近できたばかりの制度を教えてもらい、有意義だった。出所後は何でも自分で判断しなければいけないので、良い訓練になった」と振り返った。
GPS活用
受刑者、求職の外出増える 北海道が全国最多
受刑者の外出・外泊の実施件数拡大写真
受刑者の外出・外泊は2006年の導入当初、刑務所側が逃走を懸念して慎重に運用され、10年までは全国で年間2~7件の実施にとどまった。法務省は運用拡大のため、受刑者の行動を把握する衛星利用測位システム(GPS)機器の活用を11年に制度化。外出時にGPS付きの携帯電話などを持たせることで、同年は12件、14年は27件と増え、昨年は過去最多の40件に上った。

道内では昨年1年間で外出16件、外泊2件を実施。06年から今年5月末までの約10年間に全国8矯正管区で行われた外出・外泊136件のうち、最多の43件を占める。法務省札幌矯正管区は「昔から刑務所外の農場などで刑務作業が行われているため、抵抗感が少ないのでは」とみる。

再犯防止に
取り組みの背景には、出所後に再犯を重ねる人が絶えない現状がある。受刑者の中での再犯者の割合は12年連続で上昇、昨年は59%に上った。慶応大の太田達也教授(刑事政策)は「刑期を終えてからより、出所前から社会に出る準備を段階的にした方が再犯防止につながる。外出・外泊はもっと運用すべきだ」と話す。

一方で、性犯罪被害者の支援に取り組む須田布美子弁護士(札幌)は「被害者に事前に通知するなどして、加害者が被害者の前に突然現れることだけは絶対に防いでほしい」と訴える。

札幌矯正管区の清宮崇資(せいみやたかし)成人矯正第1課長は「対象者を適切に選定し、外出先の警察署に事前連絡するなど保安対策を尽くす。受刑者の更生に役立つ制度だと社会に理解してもらうよう努めたい」と話している。(報道センター 大城道雄)

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