<参院選>「ダブルケア」理解薄く 各党の公約に言及なし

子育てに両親の介護とダブルでお世話することになる方は大勢いらっしゃいます。肉体的にも精神的にも滅入ってしまいがちなこの時期に、追い打ちをかけるようにして職場でも肩身の精米思いをしている現状をなんとかしてほしいですね。働き盛りの年代で両親の介護のために仕事の成功をあきらめたという人もいるでしょう。なんとか両立していけるような職場の温かい環境があればいいのですが、急に子供の熱で呼び出されたり、寝る間もなく動き続けるとなるとやはり体力的にもきついものがあるのかもしれません。申請などして休暇が多くもらえるようなシステムがあったらいいのですが、選挙ではいいことを公約にしている人も有言実行できているという偉人は数少ないですね。

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参院選公示後の6月27日、大手住宅関連企業の40代の女性契約社員は、会社が用意した文書にサインさせられた。「営業成績が目標に達しない場合は契約を更新しない」とあった。長女(1)の育児と実母(72)の介護という「ダブルケア」と仕事を必死に両立させようとしている女性。すべての人が輝く「1億総活躍社会」は来るのか。【中村かさね】

女性は東京都在住で母と夫、7歳の長男、長女の5人家族。長男を身ごもった時は別の大手企業の正社員で、育児休業を取ろうとした矢先、上司に「辞めてもらった方がありがたい」と言われ、退職した。4年前に今の会社に再就職。契約社員でも育休をもらえるのが魅力だった。

給料は歩合制で入社時は月15万円程度。午後4時までの時短勤務だったが、仕事を任され残業もした。正社員並みの業績を上げて給料も上がり、やりがいを感じていた。やがて長女を身ごもる。昨年3月、妊娠の経過が思わしくないため入院。会社を休んで6月に出産し、今年4月までの予定で育休に入った。

育休中、保育所探しに苦しんだ。今春の保育所入所を目指すなら妊娠中に「保活」を始めるのが普通だが、3月の入院で出遅れた。認可外保育所を中心に約30件問い合わせたが決まらない。認可保育所の申し込みが始まった昨秋、突然涙が出、頭痛に苦しんだ。「産後うつ」だった。

今年1月末、自転車で15分の小規模保育所に入所が決まったが、預かってくれるのは2歳まで。保活は続く。

ところが、職場復帰を控えた2月末、母が左脚を骨折した。耳がかなり遠く、うつや認知症の症状もある。介護が突然始まった。

会社から急きょ約40日間の介護休業をもらい、復職について相談する際、上司に言われた。「戻ってきてほしいんだけど……大変だと思うからよくよく考えてね」。退職を促す言葉にも取れる。「ハラスメントではないか」と感じた。

内閣府の推計では、全国のダブルケアの当事者約25万人の約7割が女性で、その半数が仕事を持つ。「ダブルケア」の名付け親である横浜国立大の相馬直子准教授は「晩婚化や晩産化で今後さらに増える。仕事と両立できる仕組みや職場の理解が必要だ」と話す。

安倍晋三首相の掲げる「ニッポン1億総活躍プラン」は世代間の支え合いを強調し、祖父母が孫の面倒を見る3世代同居や近居の支援をうたう。だが、ダブルケアには言及せず、各党の参院選公約も触れていない。

女性は上司の言葉にめげず、6月に職場復帰した。毎朝午前6時に起きる。長男を起こして宿題をやらせ、離乳食や介護食を用意し授乳する。母の着替えを見守り、薬の服用も管理する。以前のように残業はできない。

体はきついが「育児や介護で家にこもるのはつらく、働けてありがたい。長く休んだ恩返しもしたい」と話す。だが、契約更新に向けて営業ノルマを課された。顧客は育休前に同僚たちに引き継ぎ、ゼロから開拓しなければならない。

ノルマを課された日に女性からメールをもらった。「この分だと転職を考えねば。保活が終わると転職活動かも。その前は流産経験もあり妊活。この間は介護サービスを探す介活。いつになったら不安なく、いろいろな活動が終わるのやら」

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