<特養>待機者が急減 「軽度」除外策、介護難民増加か

特別養護老人ホームへの待機者が減少したようですが、これは数だけ見たら人数が減ってよかったと思うかもしれませんが、実際には認定のレベルの引き上げや利用者の負担金が増額したことにより、入りたくても入れなくなってしまったお年寄りが増えただけなのです。今は老人ホームがバンバン新しく建設されていますが、金額ばかり高く長い期間安定して入居できるという人は少ないのです。少子高齢化は止められない現実なので、もっと誰もが低価格で入りやすくなるように、国全体での支援が必要だと思います。このままでは孤独死や徘徊によって行方腐目になってしまうお年寄りの数が増える一方です。

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52万人が入所待ちしていた「特別養護老人ホーム」の待機者が、各地で大幅に減ったことがわかった。埼玉県で4割、北九州市で3割、東京都で2割弱など毎日新聞が取材した10自治体ですべて減っていた。軽度の要介護者の入所制限や利用者負担の引き上げなど、政府の介護費抑制策が原因とみられる。一方、要介護度が低くても徘徊(はいかい)がある人らが宙に浮いており、施設関係者らは「介護難民」が増えたと指摘している。

特養ホームは建設時に公的支援があるため公共性が強く、低所得者や家族のいない人を優先的に受け入れている。希望者が多く、入所まで数年待つことも珍しくない。

だが特養ホームで作る東京都高齢者福祉施設協議会が今年1~2月、457施設に調査したところ(242施設回答、回収率53%)、2013年と15年で1施設あたりの平均待機者数は17・7%減っていた。

都の待機者減が明らかになるのは初めて。待機者数を調べている自治体に毎日新聞が聞き取ると、13~16年ごろにかけて埼玉県42%▽北九州市30%▽神戸市27%▽横浜市16%▽岡山市13%▽兵庫県姫路市11%▽高松市11%▽広島市9%▽長崎県5%--と軒並み減っていた。

協議会は原因に▽要介護1、2の人が昨年4月から原則、入所できなくなった▽有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅が激増した▽特養の自己負担額が高くなった--をあげる。西岡修会長は「要介護度が低くても世話の大変な人の行き場がなくなった」という。中部地方の女性(60)の母(84)は認知症だが要介護2で、特養に入れる見込みはない。一切家事ができず1人にはしておけない母を「どこに入れるというのか」と悩む。

厚生労働省高齢者支援課は「要介護3以上に(入所を)『重点化』したのは限られた資源を真に必要な人に使ってもらうためだ」と説明した。【斎藤義彦、榊真理子】

伊藤周平・鹿児島大学法科大学院教授(社会保障法)の話 待機者減は深刻な実態を示している。自己負担の引き上げで家族の負担は重くなり、無届け施設に行かざるを得ない人も増えるだろう。介護ニーズがある人の切り捨てで、「介護棄民」を生む。厚労省は介護サービスの抑制を繰り返しており、国は公費負担を増やす必要がある。

【ことば】特別養護老人ホーム

寝たきりや認知症などで常に介護が必要で、自宅での生活が難しい高齢者を対象にした施設。社会福祉法人や自治体が運営する公的な施設で、生活全般の介護を受けながら、人生の最期まで長期間入所できる。2016年2月時点で全国に9498施設あり、14年3月の入所待機者は約52万4000人。複数の施設に申し込む人も含み、実際の待機者はこれより少ないとみられている。

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