ブラック企業の犯人は「終身雇用」だった? 社員にも「便利な仕組み」がなぜ…働き方の「平成30年史」

アメリカ型という名前の聞こえの良さに、グローバル経営が社会に浸透してしまったことが大きな原因の一つです。本当なら大手にしかできないような経営スタイルを、中小企業までがマスコミに踊らされて実行してしまったのが問題点です。働き方改革ということで残業が禁止になったことはありがたいことですが、その結果収入が激減してしまったのが現状です。総合的に見ると、嬉しくもない改革だったかもしれません。正社員でもボーナスや退職金がない場合も多く、中途採用となれば基本給や福利厚生の待遇面も変化します。年金問題もこれから解決しなくてはいけないテーマではありますが、労働人口が不足していることも忘れてはいけません。募集をかけてもあまりにも人がいないので、この状態が続くなら65歳定年のラインも引きあがることでしょう。バルブがはじけるまでは残業をどんなにしても問題とはなりませんでしたが、主に企業が人経費の削減をして残業代は出さないという会社まで出てくるようになったのがブラックの始まりかもしれません。

この30年で日本の雇用は大きく変わりました。非正社員が4割弱に増え、長時間労働が問題になり、各企業で働き方改革が進んでいます。リクルートグループで20年間以上雇用の現場を見てきた、雇用ジャーナリストの海老原嗣生さんは、背景に働く方も働かせる方も「便利な仕組み」と機能してきた雇用制度があると指摘します。ブラック企業はなぜ生まれてしまったのか? 雇用の「平成30年史」を振り返ります。

長時間労働を生んだ日本型雇用
――日本ではなぜ長時間労働が問題になるのでしょうか。

「雇用の仕組みに理由があると考えています。欧米では会社にポストがあり、そのポストに人を当てはめるという考え方が一般的です。一方で日本は、ポストではなくて会社に入るという契約です。これは労使にとって便利な仕組みなんです」

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