<母子手帳>妊娠中から20歳まで 長期記録できます

子どもを妊娠し、安定期に入る前にやっと手にすることができる母子手帳。これをもらうと一気にお腹の中に新しい命が宿っていることを実感します。少しもらうの時期が遅いと感じる人もいるかもしれませんが、早めにもらって万が一子供が流産してしまうと、その手帳の存在を重く感じる人もいるので、安定してからの受け渡しなのでしょう。通常は6歳までの記録を残せるようになっているのですが、二十歳までの子供の成長を書き込めるタイプの新しい手帳が登場したようです。いくつになっても可愛い我が子、その年齢に合った成長を書き残しておけるのは貴重です。

◇一般社団法人「親子健康手帳普及協会」が作製、販売へ

妊娠中から子どもが20歳になるまで記録できる母子健康手帳(母子手帳)を、一般社団法人「親子健康手帳普及協会」(東京都港区)が作製し、来月から希望する自治体や個人に販売する。一般的な母子手帳の記載欄は6歳までだが、成人までの予防接種歴や病歴などを記録して大人になってからの健康管理に役立てる。児童虐待の防止や発達障害の早期発見につながる記述も盛り込んだ。

協会は昨年4月、海外に住む日本人妊婦に配布するため、20歳まで使う手帳を作った。予防接種や成長の様子を記録することで、将来の病気の治療や海外渡航の査証取得などで参考にできるようにした。思春期の心と行動、性教育や飲酒、喫煙への注意も解説した。

1年で配布予定だった1万部が半年でなくなるほど好評で、国内の自治体からも「使いたい」と問い合わせが入った。編集を担当した協会理事の管理栄養士、白崎ユミさん(54)は「児童虐待の増加や発達障害への対応など親が直面する課題に応える内容にしたい」と、国内での普及も想定して改訂版の作製を決めた。

改訂版を監修したのは、大分県中津市の小児科開業医、井上登生(なりお)さん(59)。長く虐待予防に取り組んできた。乳幼児健診を担当した際、発達に関する知識がないために思い詰める母親を度々見てきた。従来の手帳は育児に関する最低限の注意しか記載がなく、活用できていない親も多かった。「もっと親が読みたくなる手帳を作りたい」と協力した。

手帳はB6判で136ページ。身長や体重の変化をグラフ化した「成長曲線」の活用方法を井上さんが書き下ろしたほか、「虐待」や「発達障害」の言葉を使わずに親の気付きを促すための解説を充実させた。問題が深刻化する前に専門家に相談し、虐待予防や発達障害の早期療育につなげるため、地元の相談機関などの連絡先は、表紙をめくった目立つところに記入欄を設けた。

自治体には1部100円前後、個人には風間書房(東京都)を通しカバー代込みで1部400円で販売する。購入した自治体は、早ければ今春から妊婦に配布するとみられる。海外の日本人には3月から在外公館を通じて1万5000部を無償配布する。問い合わせは同協会(080・2371・0977)。【黒田阿紗子】

◇母子健康手帳

妊娠期から子が6歳になるまでの健康状態について親や医療関係者が1冊に記録し、家庭で保管するもの。母子保健法で、届け出をしたすべての妊婦に市町村が配布するよう定めている。前半の記録部分は全国共通。後半にに載せる健康や育児に関する情報は、独自の編集が認められているが、多くの市町村は民間から既製品を購入している。

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