人とクマの共存図る=軽井沢で「ベアドッグ」活躍―住宅地への接近防ぐ・長野

人と熊が同じ里で共存するために、必要不可欠な存在がベアドッグです。彼らは熊から人を守るために、クマが近付いてきたときには大きく吠え威嚇し、山から下りてこないように誘導することができます。羊を追う牧羊犬のようなものでしょう。しかしクマと比べて大格差もずいぶんあると思いますが、クマは大きな声で威嚇されることにより、意外と臆病になってしまうのでしょうか。万が一空腹で襲ってこようものなら、私たち人間や犬なんて一瞬でK.O負けでしょう。

人里へのクマの出没が相次ぐ中、長野県軽井沢町では、住宅地などに近づかないよう、クマを森に追い払う「ベアドッグ(クマ対策犬)」が活躍している。

クマを傷つけずにすみ分けを促し、人との共存を図る手法として期待されている。

環境省によると、2016年度の全国のクマの出没情報の件数は10月末までの速報値で約1万4700件で、15年度の約9600件を既に上回る。16年度に件数が増えた背景には、耕作放棄地や出産した雌の増加で、餌を求める行動範囲が広がった可能性が考えられるという。

ベアドッグは専門的な訓練を受け、クマを襲わずに追い立て、人里から遠ざける。適しているとされるのは、フィンランドとロシアの国境付近のカレリア地方原産のカレリア犬。ヒグマの狩猟犬として長年、改良されてきた。

軽井沢町のNPO法人「ピッキオ」は04年から、クマ対策でベアドッグを使っている。現在いるベアドッグは15年に米国の繁殖・訓練団体から導入した2頭のカレリア犬。訓練士(ハンドラー)と夜間から早朝にクマが出没しそうな地域をパトロールし、クマが市街地に接近していれば森まで追い立てる。オフシーズンも、森の中に隠したクマの毛皮を探すなどの訓練を積んでいる。

2頭は雄の「ナヌック」と雌の「タマ」のきょうだいで、信頼関係を築くために寝食を共にしたり、野生動物に興味を持たせるため鹿肉を食べさせたりもする。ナヌックのハンドラー、大嶋元さん(43)は「子どもが一人増えた感じ」と笑う。

タマのハンドラーの田中純平さん(43)は「人とクマの共存を実現する上で、ベアドッグは有効な手段だが、人もクマが住宅地のごみに引き寄せられないよう管理しなければならない」と指摘。「近くに森があるのでクマは出没する。こうしたときこそ、ベアドッグの出番で、クマを傷つけずに人里へ来ることの怖さを認識させることができる」と力を込めた。

シェアする

フォローする