ネアンデルタール人が食人、ベルギーの洞窟遺跡から証拠

私たち人間の先祖であるネアンデルタール人が食人種だったとされる証拠が多く見つかってきているようです。生きている人間ではなく亡くなった人を食べていたとされていますが、無駄なく生きていくためには、そういった選択も必要だったのかもしれません。ハイエナなどの腐肉食動物にとっても他の動物が食べ残した後に残った骨髄は貴重な栄養源だったようです。この骨髄を取り出すために骨が切られたり、粉砕されていた跡が発見されたようです。

【AFP=時事】ネアンデルタール人がウマやトナカイを食べるだけでなく、共食いもしていたことを示す証拠が、ベルギーのゴイエ(Goyet)洞窟群の奥深くで発見された。

発見した研究チームによると、約4万年前に生きていた成人または若者4人と子ども1人、新生児1人の人骨には、内部の骨髄を取り出すために切断、粉砕された明確な痕跡があるという。

ベルギー人考古学者のクリスティアン・カセイヤス(Christian Casseyas)氏は、アルデンヌ(Ardennes)の森にあるこの遺跡内の渓谷の中腹に位置する洞窟をのぞき込みながら「ここで食人が行われていたことは、反論の余地がない」と話す。

ゴイエ洞窟の人骨は、ネアンデルタール人が現生人類ホモ・サピエンス(Homo sapiens)に取って代わられ、地球上で絶滅を迎えつつあった頃の年代を示している。またネアンデルタール人は、ホモ・サピエンスとも交配していた。

利口な現生人類によって絶滅に追いやられた原始的な穴居人と以前はみなされていたネアンデルタール人が実際には、死者の遺体を丁重に扱い、埋葬の儀式を行う洗練された人々だったことが、これまでの研究で明らかになっている。

だが、ネアンデルタール人が死者を食べていたことを示す証拠も増えている。

ネアンデルタール人による食人の事例はこれまで、スペインとフランスに存在した南欧のネアンデルタール人個体群でしか見つかっていなかった。

ゴイエ洞窟群は、旧石器時代より住居として使われていた。全長250メートルに及ぶ洞窟の回廊部は、数メートル下を今も流れる小川のサムソン(Samson)川が石灰岩に穴を開けて形成した。

■骨髄を取り出す

米カリフォルニア州立大学ノースリッジ校(California State University Northridge)の人類学者、エレーヌ・ルジェ(Helene Rougier)氏率いる国際研究チームは今回、ゴイエ洞窟で発見された人骨から、そこに居住していたネアンデルタール人が食人種だったことを証明した。

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