お年玉没収「ママが、ぼくのお金盗んだ!」親族に不満ぶちまける…法的な問題は?

お正月にたくさんの親戚からもらうお年玉。こどもにとっては夢のようなイベントですね。ただ子供というだけで多くの人から現金をもらうことのできる信じられないような日の連続。自分が子供のころには何とも思っていませんでしたが、大人になると、その陰にはほかの家の子にお年玉を配る親の存在があってからこそのいただきものなんだと思えるようになりました。もらうということはどこかで渡しているという裏側もあるのです。これも成長する過程で徐々に学ぶことなのでしょう。もらったお年玉の管理は、子供が小さいうちであれば親の管理下にあると思いますが、このお金の使い道を親が決めることに問題があるとは個人的には思えません。

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「ママが、ぼくのお金を盗んだ!」。都内の主婦、えり子さん(37)は、息子が祖父母らが同席する場で放った一言に、固まった。

さかのぼること数ヶ月前。えり子さんの息子の誕生日。欲しいおもちゃが予算オーバーで買ってもらえないことがわかると、息子は「お年玉でもらったお金で、あのおもちゃが欲しい」と交渉してきたそうだ。そこで、えり子さんが「あのお金、自由に使えないの」と諭したところ、後日、親族が集まった場で冒頭の「ママが、ぼくのお金を盗んだ!」発言に至ったという。

「まだ1年生なので、お年玉や入学祝いなどのお金は全て私が預かっています」と、誇らしげに語るえり子さん。しかし続けて、「基本的には銀行に預けていますが、時々、忘れてしまうことがあるんですよね」と話す。これまでの「お年玉」「入学祝い」などでもらったお金は10万円を超えるはずだが、正確な金額はすでにわからなくなっているそうだ。

これでは、「ママが、ぼくのお金を盗んだ!」事実に間違いはないようにも思える。親がお年玉を預かると言いながら、実際は没収している場合、親であっても罪になるのだろうか。ありがちな「お年玉の没収」の法的な問題点について、佐藤香代弁護士に聞いた。

●「財産管理権の濫用」にあたる場合も

「子どもが親族からもらったお年玉は、子どもの財産です。ただし、民法824条は、『親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する』として、親に子の財産を管理する権限を認めています。ですから、子どもの財産を親が預かり、管理すること自体は、問題ありません」

では、えり子さんのような、ずさんな管理にも問題はないのだろうか。

「いえ、そうではありません。平成24年の民法改正により、親権は、『子の利益のために』行使しなければいけないということが、改めて確認されました(民法820条)。また、親は、子どもの財産を自分の財産と同じくらい大切に管理する義務があります(民法827条)。

そのため、親が子どもの財産を自分のために使ってしまうなどすれば、財産管理権の濫用として、使ったお金の返還を求められることもあります。

また、こうした濫用的な事例のみならず、財産管理がずさんな場合にも、管理権の行使が困難又は不適当であるとして、管理権喪失の審判により、財産管理権を喪失することもあります(民法835条)」

●刑法上の責任は?

刑法上の罪に問われる可能性もあるのだろうか?

「こうした親の行為が刑法上の罪に問われるかというと、親子のような直系血族間の窃盗罪には、刑法244条の『親族間の犯罪に関する特例』が適用され、無罪又は刑が免除されます。

子どもの財産の管理は、通帳を分けて、子どもの疑問にも明確に答えられるような管理が望ましいでしょう」

被害者としてはもちろん、加害者としても、身に覚えがある人は多いだろう。今年こそはしっかりとした管理を心がけてほしい。

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