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<大阪府公社住宅>特優賃家主、十数人が3億円申告漏れ

大阪府住宅供給公社に集合住宅を貸していた府内の十数人が大阪国税局の税務調査を受け、計約3億円の申告漏れを指摘されたことが分かった。公社は借り上げた集合住宅を公的な賃貸住宅制度「特定優良賃貸住宅(特優賃)」に基づいて一般に貸し出していたが、空室率が高いため所有者に精算金を払って事業の清算を進めていた。十数人はこの精算金の申告が漏れていたという。

調査を受けたのは、府内の郊外で賃貸マンションや低層アパートなどを所有する十数人。過少申告加算税を含む所得税の追徴税額は約1億3000万円に上り、大半が修正申告に応じたとみられる。

国は1993年、民間の土地を活用して都市部で不足する家族向けの賃貸住宅を確保する目的で特優賃を導入した。公社は府とともに事業者を募集。民間が建てた集合住宅を公社が20年契約で借り上げ、一般入居者に家賃を割引して貸し出した。建設費や家賃を国と府が補助した。

しかし、地価下落に伴って家賃相場が下がった上に家賃の割引額が徐々に減り、特優賃の魅力が失われた。空室率は30%に達し、公社はこの事業で2010年度に23億円の赤字を計上した。

公社は12年度から空室の多い住宅を対象に、所有者との賃貸借契約を前倒しして解約。残りの契約期間で払うべき賃貸料の一部を精算金として支払い、14年度は約13億9000万円に上った。今回指摘を受けた十数人も中途解約して精算金を受け取ったが、過少申告するなどしていた。

大阪府内で借り上げている特優賃の戸数は、15年度末にはピーク時の7分の1程度の638戸に減る見込みだ。【原田啓之】

◇「国の失政で損したのに…」

公社によると、特優賃の所有者は固定資産税などの対策から応募した農家が多かった。賃貸料の減額で収入が減り、不満を持つ所有者もいるという。

住宅街に畑が点在する大阪府南部の郊外。60代の兼業農家の男性は約20年前、農地の一部に低層アパートを建てた。特優賃制度を利用すれば固定資産税の減額などの優遇措置が受けられ、利益も出ると考えたためだ。

だが、駅から遠く、半分以上が空室に。賃貸料は周辺の家賃相場に合わせて見直すことができる規定があるため公社からたびたび賃貸料を下げられ、やむなく契約の解除に応じた。建設費のローンが数億円残り、返済は計画通りに進んでいない。「公社が『20年間収入を保証する』とはっきり言ったのに。やらなければよかった」と憤る。

精算金を残りの契約年数で分割して申告したことが問題となり、国税局から数百万円を追徴課税された。「指摘されたことは仕方ないが、国の失政で損をしたのに税金まで取られるとは」とうなだれた。【原田啓之】

【ことば】特定優良賃貸住宅

国が1993年に始めた公的賃貸住宅制度。民間が建設し、地方の住宅供給公社などが借り上げて一般に貸し出す▽公社が自ら建設して貸し出す--などの方式があり、各地の公社の経営を圧迫する要因となった。2009年で新規の建設が終わり、全国の総供給戸数は22万5351戸。


地方税は「燃費の悪い車を買った人から」という総務省案 自動車業界猛反発で成算はあるのか

総務省は2015年11月、17年4月からの自動車購入時の新たな課税方式の原案をまとめた。税率を燃費に応じて6段階に分け、購入価格の0~3%とする新税を創設するというものだ。消費税率の10%引き上げと同時に見直す自動車関係税制の中核になるものだ。

環境性能の高い自動車の税負担を軽くしようという狙いだが、燃費の悪い車は逆に負担が重くなるわけで、全体として販売の減少を懸念する自動車業界や経済産業省は反発しており、12月の16年度税制改正大綱決定に向け、調整は難航も予想される。

■2017年4月の消費税増税と同時に導入予定

現在、消費者が自動車を買うとき、購入額の最高3%の自動車取得税と、車両の重量に応じた自動車重量税が課税される。このうち自動車取得税は、併せて課税される消費税との「二重課税」と批判する自動車業界が、その廃止を悲願としてきた。2015年10月の消費税10%への引き上げとともに廃止されることになっていたが、消費税率のアップが先送りになったため、取得税の廃止も先送りされていた。

自動車にはこのほか、保有している限り毎年納める普通車の自動車税、軽自動車の軽自動車税があり、また、重量税は車検の時にもかかる。このうち、重量税だけが国税で、他の税は地方税で総務省が所管している。

今回の総務省案は、取得税廃止の一方、自動車税と軽自動車税を拡充するとしたこの間の政府方針に沿ったもので、15年度税制改正大綱が具体的な税率や対象車種について「16年度以降の税制改正において結論を得る」としているのを受けてまとめた。

電気自動車は税率ゼロ、燃費悪いと最高3%

 毎年払う自動車税と軽自動車税に、購入時の課税を新設するというもので、新設の税率は、国土交通省が環境に配慮した燃費の目標値として定めた「2020年度燃費基準」の達成度に応じて決める。購入価格に対する税率は、電気自動車や燃料電池車、「燃費基準」を25%以上上回るガソリン車は0%と設定。そこから燃費が悪くなるほど、0.6%、1.2%、1.8%、2.4%、3.0%と税率が高くなる。取得税の廃止で1000億円程度減る地方税収を、これで補う考えだ。もちろん、環境性能の高い自動車の税負担を軽くし、普及を後押しするという目的もある。

ただ、自動車業界は販売の減少を懸念し、課税対象をなるべく絞るよう求めている。日本自動車工業会や経済産業省は、タクシーや運送業などの営業車と軽自動車については、税率の上限を2%にするように求めている。

ただ、調整は難航しそうで、12月中旬の税制改正大綱決定まで時間がないこともあり、自動車業界には、具体策づくりの先送りを求める声が出てきた。自動車新税の成算は見通せない状況だ。


「人口減っても良い」「外国人は日本にうまく吸収できない」 与謝野馨氏

--日本の財政・経済問題をどうみるか

「私は2012年8月、日本は20年にあらゆる問題が解決困難になると、当時の野田佳彦首相に警鐘を鳴らした。増え続ける貿易赤字は日本の資産を食いつぶす。円高で企業の海外移転が進む。財政は年金制度を見直さないと消費税10%程度では持たない。日本の正念場になると訴えた」

「安倍晋三政権は『三本の矢』を掲げた。大胆な金融緩和は円安株高をもたらした。企業は輸出関連を中心に好決算が相次いでいる。ただ、日本の景気は『好循環』と呼ばれるにはほど遠い。あらゆる分野の合理化・効率化は結局、デフレをもたらす。個人消費が弱いというが、国民は必要な物をみんな持っており、新たに消化する対象はほとんどないのが現状だ。これ以上の円安は国民の負担を大きくさせる」

--環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉に参加したことは評価すべきではないか

「最初のルールづくりに参加して、交渉の大筋合意に持ち込んだことは良かった。中国が交渉に参加していないことは大きい。中国は資源消費大国であり、日本とぶつかる局面が今後も起こりうる。中国は、特許などの知的財産権を守らないし、利益を本国に自由に送金できない投資上の問題を抱える。中国はこれから、国際ルールを守らないといろいろな国から排除されるだろう」

--「新三本の矢」はどうか

「目標としては頼もしいが、相当な努力が必要になる。名目国内総生産(GDP)600兆円の達成は、労働人口の減少が大きな壁になる。労働人口が減少する原因に出生率の減少が挙げられる。もし出生率を増やすのなら、子供3人を育てられるだけの住環境が必要だ。保育所をつくり、女性の職場復帰を容易にするよう整備しなければならない。教育費の負担軽減という課題もある。そのための手当てを考えているのか」

「社会保障制度が維持できる範囲であれば、今よりも人口は減っても良いと思う。人口はもう少し減った方が、道路や公園など1人当たりのインフラは大きくなるメリットもある」

--外国人を労働者として受け入れることは

「それはあろうが、外国人は日本人より生活慣習にこだわり、宗教心が強く、日本の社会にうまく吸収できないのではないか」

--国際的課題となっている難民の受け入れは

「日本は、世界で割り当てられるなら別であるが、ドイツみたいに積極的になる必要はない」

--社会保障・税一体改革の進み具合はどうか

「社会保障は日本の最大の問題だ。欧州型に近づいた社会保障制度を切り込むのを、国民が受け入れないところにきている。しかし、切り込まないのであれば、消費税を20年に15%、25年に20%にまで上げないと、財政は行き詰まる。とりあえずは、年金の支給開始年齢を遅らせることで社会保障費の伸びを抑制する。一方で、日本の技術力を高めるための財政・税制上の支援を積極的に行う。技術力が高まると、国際競争力が向上し、日本に果実をもたらす」

--あるべき経済政策とは

「本当の狙いは、2%の物価上昇とかGDP600兆円とか数字を挙げることではなく、強い日本をいかにつくるかにある。20年は東京五輪・パラリンピックの開催と重なる。いまのままだと、華やかな20年は『貧しい日本』への始まりにもなるのではないかと危惧する」


マイナンバーで変わった年末調整の書き方(前編)

2015年も残り1カ月あまり。毎年恒例の年末調整の時期がやってきた。サラリーマンの方は、会社から年末調整の申告書が配られているだろう。また自宅には生命保険料控除証明書も届いている方がいるはずだ。年末恒例の行事だが、皆さんは何のために年末調整をしているのか理解されているだろうか。

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筆者は独立して10回目の確定申告を迎えようとしている。それ以前、サラリーマン時代に20年以上年末調整を行った。しかし、当時の筆者は税金に関する知識は皆無で、一体何のために記入しているのか理解していなかった。生命保険の証明書は10万円を超える1枚を張れば済むことも知らず、医療保険、学資保険など何枚も張り付けていた。年末調整=節税と知ったのは、独立して税金のことを少し理解した後だった。

サラリーマン時代の筆者のように年末調整=意味不明の方もいるだろう。年末調整はサラリーマンが税金と接する数少ない機会だ。この機会に少しだけ税金と向き合い理解を深めていただきたい。

■ 年末調整は何を調整するの?まずはサラリーマンの税金を知ろう

年末調整は何を調整するのか。そのことを知るために簡単にサラリーマンの税金の仕組みを説明しよう。毎月の給与明細を見ると所得税、住民税、厚生年金、健康保険、雇用保険などが天引きされているはずだ。年末調整の直接の対象となるのは所得税だ。この所得税の算出方法は以下の通りだ。

・給与の収入金額(年収)-給与所得控除=給与所得

・給与所得-各種所得控除=課税所得

・課税所得×税率=所得税

最初の式の給与所得控除はサラリーマンの必要経費などと言われるもので「サラリーマンも何かしら経費が掛かるでしょ」ってことで、一定額を収入から差し引いて(減税して)くれる仕組みだ。

例えば、年収500万円の人の給与所得控除額は「360万円超 660万円以下」の計算式を使用して収入金額×20%+54万円で算出できる。

給与所得控除額:500万円×20%+54万円=154万円

給与所得   :500万円-154万円=346万円

ここで覚えておきたいのは収入と所得の言葉の違いだ。年末調整の申告書には「収入金額」「合計所得金額」「所得の見積額」と言った言葉がひんぱんに出てくる。例えば奥さんや子どものパート・アルバイト代の年間の合計が103万円の場合、年収、収入と呼ばれるのは103万円、そこから給与所得控除(103万円の場合は65万円)を引いた38万円が所得となる。

2番目の式の各種所得控除は基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除などが一般的だ。例えば独身で生命保険に加入していなければ天引きされた社会保険料控除以外は基礎控除の38万円だけとなるが、専業主婦と大学生の子どもがいて生命保険に加入していると控除額が増える。控除額が増えると課税所得が減り所得税が減るという仕組みだ。控除額を比較してみよう。

独身:基礎控除 38万円+社会保険料控除 76万円=114万円

既婚:基礎控除 38万円+社会保険料控除 76万円

+配偶者控除 38万円+扶養控除 63万円+生命保険料控除 5万円=220万円

※既婚の例は専業主婦+大学生の子ども+旧生命保険12万円とした

同じ年収500万円(所得346万円)の場合、独身の例では課税所得が232万円(346万円-114万円)で所得税は13万4500円。既婚の例では課税所得が126万円(346万円-220万円)で所得税が6万3000円となる。扶養する家族が増え、生命保険に加入したことで控除が増え、所得税額が減ったことが分かる。サラリーマンの税金に関してもっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参照していただきたい。

源泉徴収票の見方、知っていますか? ~税金の計算方法を理解すると節税ができる~

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/20150304_690747.html

もう1つ知っておきたいのは所得税の納税方法だ。所得税は毎月の給与から天引きされている。「給与所得の源泉徴収税額表」なるものがあり、例えば給与から社会保険料を引いた額が28万円の場合、独身であれば7610円、扶養親族が2人いれば4370円と、毎月みなし金額を納税している。

12月の給与でその年の収入が確定する。加えて「生命保険を増やした」「二十歳を超えた大学生の国民年金を親が払った」など個人個人の細かな事情を反映して所得税額が決定する。みなし金額で毎月納税している額はやや多めとなっていて、12月の給与で最終調整(=年末調整)して正しい納税額とする仕組みだ。そのため12月は少し手取り金額が増えることが多い。年末調整の申告書は払いすぎた税金を取り戻すための申告書と理解しよう。

給与所得の源泉徴収税額表(平成27年分)(PDFダウンロード)

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/zeigakuhyo2014/data/01_1.pdf

■ 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を記入しよう~扶養する親族が増えると控除が増える~

年末調整で会社から2枚あるいは3枚の紙が配られているだろう。2枚の場合は「平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「平成27年分 給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」。3枚の場合はこれらに加え前年に提出した「平成27年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」が変更の有無の確認用に配られる。

平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(PDFダウンロード)

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/h28_01.pdf

平成27年分 給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書(PDFダウンロード)

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/h27_05_03.pdf

まずは「平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」から見ていこう。この申告書の裏面の冒頭には「この申告書は、平成28 年の最初の給与の支払いを受ける日の前日までに、給与の支払者に提出してください。」と書かれている。文面どおりに受け取れば2016年(平成28年)の1月の給料日前までに出す書類だが、ほとんどの企業は年末のこの時期に記入・提出することとなっている。

ここに記載された家族構成(配偶者、扶養親族など)を反映して、1月から毎月天引き(源泉徴収)する所得税額を決定するための申告書ということだ。前年に記載された申告書と比べることで、子どもが増えた、おばあちゃんと同居を始めたなどの情報を把握することもできる。

「平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は様式が変更された。追加された項目は以下の通り。この手の申告書としては大幅な変更と言えるだろう。

1.給与の支払者の法人(個人)番号

2.あなたの個人番号

3.配偶者、扶養親族の個人番号

4.非居住者である親族

5.生計を一にする事実

6.控除対象外国外扶養親族

この中ですべての人が対象となるのは個人番号=マイナンバーだ。来年(平成28年)から給与の支払いなどに必要となるマイナンバーを、会社はこの「平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載してもらい収集することとなる。ところが、ニュースでも取り上げられているようにマイナンバーが記された通知カードの送付が大幅に遅れている。自分の地域の差し出し状況は以下のサイトで確認することができる。

個人番号通知カードの郵便局への差し出し状況

https://www.kojinbango-card.go.jp/cgi-bin/tsuchicard/jokyo.cgi

例えば筆者が住民票をおく名古屋市瑞穂区は11月18日、オフィスのある川崎市麻生区は11月19日となっている。この日付は国立印刷局から郵便局へ発送した日付で、各家庭に届くのはこの日付から最長3週間としている。かなり多くの人が12月に受け取ることになりそうだ。

これに伴いマイナンバーの収集と年末調整を切り離す企業もあるようなので、この辺りの対応は各社のルールに合わせることとなる。マイナンバーについては以下の記事も参照いただきたい。

ついに通知開始!マイナンバーで最初に注意すべきポイントは? 社会保険労務士に聞いてみた

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/20151002_721533.html

■ 自分に関する情報はすべての人が記入する

では具体的に「平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を記入していこう。この申告書は図のようにいくつかのブロックに分けられている。「自分」は自分の会社や自分自身の名前、住所など。AからEは奥さん(配偶者)や子ども、親などの親族に関して記入する。

自分のブロックは会社や自分自身の情報なので特に問題はないだろう。Aブロックは奥さん(配偶者)、Bブロックは16歳以上の子どもや親(扶養親族)、Cブロックは障害者など、Dは子どもが2人いて1人を自分の扶養親族、もう1人を働いている奥さんの扶養親族にする場合などで使用する。Eブロックは16歳未満の子どもがいる場合に記入する。多くの人が記入するのは自分とA、B、Eブロックとなる。

最初に記入するのは自分に関する情報。このブロックはすべての人が記入することになる。記入例を見てみよう。所轄税務署とは会社の所在地を所轄する税務署。税務署、会社名、法人番号、会社の住所は、おそらく会社側がハンコなどで記入済みであろう。市区町村は自分が住民票をおく地域を記入する。「あなたの個人番号」はもちろんマイナンバー。結婚している人は配偶者の有無の有に丸印、独身の人は無に丸印を付ける。独身で扶養する親などがいなければ、このブロックを書くだけでこの申告書の記入は終了となる。

■ 配偶者控除と扶養控除を積み上げると大幅節税ができる

次はAブロックとBブロック。例年と大きく変わったのはマイナンバー。控除対象となる奥さん、子ども、親などがいる場合は該当者の個人番号を記入する必要がある。Aブロックは控除対象配偶者を記入する。控除対象となるのは収入(年収)で103万円以下、所得で38万円(103万円-65万円)以下の配偶者となる。ただしこの所得は平成28年中の所得だ。「来年のことなんか分からないよ」と言う人もいると思うが、毎年パート代が103万円を超えないようにセーブしているのであれば、取りあえず103万円以下の金額を記入すればよい。仮に超えたとしても1年後にリカバリーは可能だ。

奥さんが正社員で年収が300万円、400万円としっかり稼いでいる場合は空欄とする。その奥さんも会社でこの申告書を記入しているはずだが、奥さんも旦那さんが年収500万円などと稼いでいる場合は、空欄で提出することとなる。

Bブロックは奥さん(配偶者)以外の控除対象となる、扶養親族(子どもや親)を記入する。こちらは控除対象の条件が少し複雑なので、まずは所得の条件から見ていこう。配偶者控除と同様に所得が38万円以下であれば控除対象となる。例えば大学生の子どもにアルバイト収入がある場合、収入(年収)が103万円以下であれば所得が38万円以下となり、控除対象となる。親が公的年金をもらっている場合は、年齢により控除額が異なる。65歳未満の公的年金控除額は70万円、65歳以上の公的年金控除額は120万円なので。

65歳未満 公的年金が108万円以下であれば所得が38万円以下(108万円-70万円)となり控除対象

65歳以上 公的年金が158万円以下であれば所得が38万円以下(158万円-120万円)となり控除対象

親が公的年金に加え、アルバイト等の給与所得もある場合は、2つの所得の合算が38万円以下であれば控除対象となる。例えば、65歳以上で公的年金が144万円、アルバイト収入が72万円の場合、

公的年金  144万円-120万円=24万円

アルバイト 72万円-65万円=7万円

となり、合計した所得は31万円なので控除対象となる。

親の年金に関する注意点は公的年金か否かだ。例えば父親がサラリーマンで母親が専業主婦だった場合、父親が亡くなった後に母親が受け取っている年金は遺族年金だ。遺族年金は公的年金ではないので、所得の対象とはならない。仮にその額が180万円であっても控除対象となる。

所得条件の次は年齢の条件を確認していこう。控除対象となるのは平成28年の年末で16歳以上=誕生日が平成13年(2001年)1月1日以前に生まれた人だ。所得が38万円以下で16歳以上であれば控除対象ということだ。

16歳以上という条件以外にも年齢により記入の仕方が変わるところがある。老人扶養親族(昭22.1.1以前生)、特定扶養親族(平6.1.2生~平10.1.1生)と誕生日が書かれた欄がある。平成28年の年末時点で昭和22年1月1日以前に生まれた人は70歳以上、平成6年1月2日から平成10年1月1日に生まれた人は19歳から22歳となる。この2つの年齢の合致すると特典が得られるので注意深く確認したい。次の図を見ていただきたい。

特定扶養親族の対象となる19歳から22歳はほぼ大学生の年齢で、控除額が25万円加算され63万円となっている。70歳以上は老人扶養親族で、同居の場合は58万円、それ以外は48万円とこちらも控除額の加算がある。この年齢の扶養親族がいると税金が減るということだ。あくまで年齢が条件なので、特定扶養親族は大学生である必要はない。浪人生でもフリーターでも生計を一として年間の所得が38万円以下であれば特定扶養親族となる。

特定扶養親族にあたる子どもがいる場合は、該当する欄に丸印を付ける。同じく70歳以上の親を扶養している場合は、同居なら同居老親等に丸印、その他であればその他に丸印を付ける。これにより控除額が増え税金が減ることになる。

大学1年生の早生まれの子を持つ親には、悲しいお知らせがある。ストレートに大学に進学した子どもで4月2日~1月1日生まれの子は、その年の年末に19歳となり特定扶養親族の対象となる。1月2日~4月1日に生まれた早生まれの子は年末時点では18歳のため、特定扶養親族の対象外だ。そのため25万円の控除額の加算は受けられず、税金を多く納めることとなる。同学年の1/4は早生まれなので極めて不公平な話だが、日本人は税金の知識が乏しいのであまり問題視されていない。

■ 住民税に関する事項

一番下のEブロックは住民税に関する事項だ。ここには平成28年の年末時点で16歳未満の子ども(扶養親族)を記載する。誕生日で表すと、平成13年1月2日以後に生まれた子どもだ。ザックリ言うと中学生以下の子どもが対象となる。

最後に、個人番号以外で変更になった「非居住者である親族」「生計を一にする事実」の欄について簡単に説明しておこう。「非居住者である親族」とは日本に住んでいない親族をさす。平成28年から該当する親族を扶養控除の対象とする場合は、「親族関係書類」および「送金関係書類」を提出する。「平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」では該当する欄に丸印を付け、「生計を一にする事実」の欄には送金金額を記入する。

海外の大学に留学する子どもがいると、この欄を記入することになるが、この欄が新設された理由は、日本で働く外国人労働者の不正対策と言われている。海外に扶養している親族が20人いると申告すれば扶養控除額は1人38万円でも760万円となる。課税所得760万円の高額所得者が所得税0円になるということだ。そのため外国政府が発行した戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書などを対象とする「親族関係書類」の説明に「これらの書類が外国語で作成されている場合には、その翻訳文を含みます」と書かれている。ということで、多くの人はこの項目が追加されたことを気にする必要はなさそうだ。

国外居住親族に係る扶養控除等の適用について

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/kokugaifuyou_leaflet.pdf

「平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、フォーマットの変更はあったが、本質的なところは変わっていない。毎年書き方に悩む人は、書き終えた申告書のコピーを保存しておくとよいだろう。ただし、家族全員のマイナンバーが書かれているので、過敏になる必要はないと思うが保存には注意が必要だ。節税という面では、子どもを扶養親族に入れ忘れることはないと思うが、親の年金はよく調べると控除対象の扶養親族に入れられる可能性がある。親が長生きすると10年、20年と控除が受けられることもあるので、一度は確認しておくことをお勧めしたい。

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「平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の書き方は、これで終了。次回はもう1枚の「平成27年分 給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」の書き方について説明したい。

【INTERNET Watch,奥川浩彦@ アイピーアール】


マイナンバー通知、12月20日配達完了見通し

日本郵便は26日、共通番号制度のマイナンバーを記載した「通知カード」の初回の配達が12月20日に完了する見通しを示し、自治体ごとの日付を発表した。

政府は当初、11月中に全世帯に届ける予定だったが、40都府県323市区町村分の計510万2500通は12月にずれ込む。2016年1月からは税や社会保障制度でマイナンバーの本格利用が始まるが、日本郵便は「精査した計画で、示した配達完了の見通しより遅れることはない」としている。

通知カードは簡易書留で10月5日時点の住民票の住所に送られるが、受け取られなかった場合は自治体に戻される。

日本郵便によると、最も遅くなると見込まれているのは、印刷段階のトラブルで遅れた千葉県四街道市の12月20日。郵便局への搬入が遅く通知カードの数が多い埼玉県川口市やさいたま市は19日と見込まれている。


通勤手当、月15万円まで非課税=国税クレジット納付も―政府・与党

政府・与党は27日、2016年度税制改正で、通勤手当の所得税の非課税限度額を、現行の月10万円から15万円まで引き上げる方針を固めた。
新幹線通勤者などが増えていることに配慮した。また、国税をクレジットカードで納付できる仕組みを創設する。
通勤手当の非課税限度額は1998年度に月5万円から10万円に引き上げられて以来、据え置かれている。ここ数年、新幹線で東海、東北地方などから首都圏に遠距離通勤する人が増えた上、消費税増税もあって通勤費は上昇傾向にある。そこで、公共交通機関の定期券代や、有料道路の料金に応じた通勤手当を月15万円まで非課税とする。この場合、新幹線だと東京、新大阪駅から200キロ圏が対象になり、例えば、東京からだと静岡駅、新大阪からだと岡山駅までは含まれるという。
国税のクレジットカード納付制度は、17年1月4日から施行する。国税庁のホームページなどを通し、インターネット上で納付と決済の情報を入力すれば、納税できるようにする。クレジットカードの利用手数料は納税者負担となる。


民間企業で働く障害者、45万人…過去最多に

民間企業で働く障害者は今年6月時点で前年を5・1%上回る45万3134人となり、12年連続過去最多を更新したことが27日、厚生労働省の調査で分かった。

調査は、従業員50人以上の企業を対象に毎年実施。全従業員に占める障害者の割合は前年より0・06ポイント高い1・88%。法律で義務付けられた法定雇用率(2%)を下回った。これを達成した企業の割合は、全体の47・2%だった。規模の大きい企業ほど雇用率は高い傾向があった。

内訳は、身体障害者32万753人(前年比2・4%増)、知的障害者9万7744人(同8・4%増)。最も増加幅が大きかったのが精神障害者3万4637人で、前年比25%増だった。

同省障害者雇用対策課は「未達成の企業にどんな業務が障害者に適しているか助言するなどして、一層、促進したい」と話した。


軽減税率新案、プリペイドカードで負担減 政府・自民が検討

政府・自民党が、消費税率10%時に導入する軽減税率制度について、低所得者対策として、あらかじめ政府が一定額を入金した「プリペイドカード」を配り、買い物時の負担を緩和する新案の検討に入ったことが26日、分かった。酒と外食を含めた全飲食料品を対象に購入時にカードから2%の税率分が引かれ、限度額いっぱいまで使える仕組み。限度額は1人当たり年4000円程度とする案が有力だ。

 カードを使う新案により現在、自民党と公明党との軽減税率の制度設計をめぐる協議で最大の焦点となっている品目の線引きを行う必要がなく、決着に向けた切り札にもなり得るが、公明党は新案に慎重で、調整が難航する恐れもある。

 自民党税制調査会が同日開いた幹部会合で提案された。検討案では、軽減税率を導入する目的である低所得者対策を踏まえ、年収に上限を設けて配る案が有力となる見通し。財源には、これまでの与党協議で合意した社会保障の充実策の見送りで浮く4000億円を全額充てる方向で調整する。

 支払い時に、カードをレジの端末にかざし、食料品と識別されれば税率が軽減される仕組みが想定されるため、対象品目の線引きは不要になる。買い物時にどの商品が税率10%か軽減税率対象なのかの混乱がなくなる。

 消費税率10%の時点で、例えば税込み3300円分の飲食料品を購入した際には、カードから2%分の60円が引かれ、レジでの支払額は3240円になり、負担が和らぐ。カードの限度額が4000円なら3940円に減り、0円になるまで使える。事業者の負担を考慮して、カードの読み取り装置を政府が無償で配布する案もある。

 財務省は9月に、軽減税率の制度案として、増税分の一部を、消費者に払い戻す「還付制度」を与党に提示。ただ、買い物のたびにマイナンバーカードをかざすことなどに批判が噴出し、10月に案を撤回していた。プリペイドカード方式では、個人情報が詰まったマイナンバーカードとは違い、紛失時などの影響も小さくて済む見通しだ。


<経団連会長>会員企業に賃上げ呼びかけ…方針表明

政府は26日、経済界との「官民対話」の第3回会合を開いた。出席した経団連の榊原定征会長は、会員企業に対して2016年春闘で今年を上回る水準の賃上げを呼びかける方針を表明した。安倍晋三首相が今月5日の官民対話の会合で、経済界に賃上げを求めたことに応えた形だ。政府が求めている設備投資に関しても、経団連は前向きな姿勢を示すと同時に、法人税減税や規制改革の投資促進策を求めた。

政府は、給与水準を一律に底上げするベースアップ(ベア)などを企業に実施してもらい、国内消費を拡大させたい考え。【種市房子】


保健医療巡り国際会議へ…ビル・ゲイツ氏も出席

政府は、全ての人が適切な予防や治療などの保健医療サービスを受けられる「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」(UHC)に関する国際会議を12月16日に都内で開催する。

来年5月に日本で開催する主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)でUHCを取り上げることを検討しており、これに先駆けて国際機関の代表らを招き、連携強化を図る狙いがある。

国際会議は厚生労働省や外務省、財務省などが主催する。エボラ出血熱などの感染症の拡大予防が重要テーマの一つとして扱われる予定だ。2014年にエボラ出血熱が流行した西アフリカでは、医師が少なく医療を受けにくい状態が感染を拡大させたと指摘されており、アフリカなどでの医療提供体制の重要性などが議論される。

会議には、マイクロソフト創業者で現在は慈善事業に取り組むビル・ゲイツ氏のほか、世界銀行のキム総裁、世界保健機関(WHO)のチャン事務局長、関係各国の保健大臣や研究者ら約300人が出席し、日本からは塩崎厚生労働相らが参加する。


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